● シンポジウム2 「災害時の診療放射線技師の安全管理」

第二部 ソリューションカンファランス セーフティーコントロール

10月30日(土)14:00~15:00(第一会場 1F多目的ホール)

       「東日本大震災から10年診療放射線技師として災害支援を考える」

                        コーディネーター:   新潟大学医歯学総合病院                         金沢  勉

                                  独立行政法人国立病院機構宮城病院      立石 敏樹

                              演者:   国立病院機構相模原病院                             武田 聡司

 2011年の東日本大震災から、10年がたった。震災の記憶は、風化させてはならなく、近年では、台風や豪雨など多くの自然災害が多く発生している。そこで、今回は、福島開催ということも鑑み、実際に東日本大震災時、D-MATとして、はじめに現地入りした武田聡司氏(当時NHO災害医療センター勤務)に実際の経験をもとに、自然災害、並びに原子力災害(緊急被ばく)について、どのように対応したか、そして、今後どう準備しておくべきかを報告いただく。また、東北支部医療安全班との合同企画により、合同ディスカッションを行う。会員の皆様にとってこのシンポジウムが、自施設の災害時における医療安全対策や放射線災害対策を実施するための一助となることを望む。

● ソリューションカンファランス ドーズコントロール

10月30日(土)16:20~17:20(第一会場  1F多目的ホール)

         「血管撮影領域におけるDRL2020の現状と今後の展望」

                        コーディネーター:    秋田県立循環器・脳脊髄センター        加藤  守

 2020年4月に医療法施行規則が改正され,線量の記録管理が必須要件となった.特に血管撮影領域は高線量を要するため,施設の線量を検証し,高線量となっている場合は被ばく低減策の実施が必要である.この検証する際の基準線量となるのが2020年に更新されたDRLである.DRL2020 for IVRではこれまでの装置基準線量に加え,頭部・胸部・腹部における疾患毎に装置基準線量(AK: mGy)が提示された.医療法施行規則改正およびDRLs2020が発表されて1年が経過し,自施設の線量管理にDRLを活用していることと思われるが,線量管理における問題点もいくつか指摘されるようになってきた.

 今回のソリューションカンファランス(ドーズコントロール)では,臨床におけるDRLを用いた管理法と今後に向けた改善点などを,日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師認定機構の坂本肇理事長にご講演をいただく企画とした.

      「DRLs2020における血管撮影・IVR領域での運用と今後について」

                              演者:    順天堂大学保健医療学部 診療放射線学科     坂本  肇

 血管撮影・interventional radiology(IVR)領域では、確定的影響(組織反応)である放射線皮膚障害等が発生しているため、リアルタイムに入射皮膚線量を管理して皮膚障害が発生するしきい線量を意識しての線量管理が重要となる。また、放射線防護の最適化のプロセスとして確率的影響の合理的な低減のために診断参考レベル(diagnostic reference level :DRL)の活用が有用である。さらに、医療法施行規則の一部改正省令(医政発0312第7号)が発令され、血管撮影・IVR領域で使用される循環器用X線透視診断装置においては、医療被ばくに係わる安全管理のために線量管理と線量記録が必須となり、線量管理のための線量指標としてDRLの活用が求められている。DRLの活用により最適化が進むことは、放射線皮膚障害のリスクも下がると考えられる。このため、臨床現場におけるDRLの重要性は増している。

 DRLs2015でのIVR領域におけるDRL値は、「標準ファントムを用い統一した幾何学的配置にて、透視基準線量を測定する」方法を採用し装置の出力X線量の最適化を図り、有効な成果を得られたが、患者入射総線量は治療の難易度、術者の技量、患者体型などさまざまな要因の影響を受け、術者に依存するところが大きい透視時間や撮影回数を考慮し手技時の術者に参考となるDRL値の構築が求められた。また、医療法施行規則の一部改正を踏まえDRLs2020の改訂が行われ、臨床時の頭頚部領域、心臓領域、胸腹部領域での代表的な診断とIVRでの装置表示線量(空気カーマ値(Ka,r)[mGy]ならびに面積空気カーマ積算値(PKA)[Gy・cm2])がDRL値に採用され、装置基準透視線量率として患者照射基準点位置での入射表面線量率[mGy/min]がDRLs2015より継続され採用された。本講演では、血管撮影・IVR領域における診療用放射線に係る安全管理のために行われるDRLを活用した線量管理、DRLs2020を用いて1年間が経過し各施設におけるDRL値についての講評などを中心に紹介する。

● ソリューションカンファランス Women Serendipity

10月30日(土)16:20~17:20(第二会場 3F講義室1)

         「キャリアアップ未来予想図」 ~協調と私らしさの融合~

                         コーディネーター: 一般財団法人 新潟手の外科研究所   風間 清子

                                   山形県立河北病院                           佐藤 晴美

                                   山形県小国町立病院                  伊藤 真理

                                   弘前大学大学院                                片岡 郁美

                                   JCHO仙台病院                               星 由紀子

                                   太田綜合病院附属 太田西ノ内病院            関根 理沙

                               演者:   福島県立医科大学附属病院           大川原由紀

                                   山形県立河北病院                     佐藤 晴美

 2021年度のWoman Serendipityのテーマは,『キャリアアップ未来予想図』~協調と私らしさの融合~といたしました.

 皆さんは,未来予想図と聞いて何を思いますか?昨年からのコロナ禍で先のことなんて考えられないと思う方もいらっしゃると思います.ただどんな時でも,私たちの仕事は学んで成長していくことが求められます.閉塞感がつきまとう,こんな時だからこそ自分自身のキャリアアップの未来予想図を描いてみませんか?

 今回の構成も,最初に2人の演者から『キャリアアップ未来予想図』~協調と私らしさの融合~についてお話していただき,その後皆さまと意見交換を行います.今回の演者は若手技師とベテラン技師です.未来は若い世代ばかりでなく,ベテランにも拡がっていると思います.演者のお一人は福島県立医科大学附属病院 大川原由紀さん,もうお一人は山形県立河北病院 佐藤 晴美さんです.どんなお話が聞けるか今から楽しみです.

 キャリアアップを目指すとき,職場や家族との協調が必要となりますが,自分らしさを忘れずに,自分が思い描く道を進めたら幸せですよね.コロナ禍で先のことが見えにくい時代ですが,あなた(貴女・貴方)の持っている情報や経験や知恵が,誰かの役に立つかもしれません.~Women Serendipity~ 情報の共有や新しい見識を得て,未来の希望の光を一緒に見つけませんか?男性の方のご参加もお待ちしております.意外な発見がお互いにあるかもしれません.ぜひ,年齢性別問わず役職も問わず色々な立場での意見交換できるよう,コーディネーター一同努めます.ぜひ皆さまご参加ください.

● 東北地域業務改善推進委員会 みちのくこまち

10月30日(土)17:30~18:30(第二会場 3F講義室1)

   「放射線技師のワークライフバランスについて本気で考える part2 ~コロナ禍における育児と自己研鑽~」

                         コーディネーター: 脳神経疾患研究所附属総合南東北病院     國分 美加

                                   太田綜合病院附属太田西ノ内病院               関根 理沙

                               演者: 社会保険労務士                                  佐藤 富蔵

                                   脳神経疾患研究所附属総合南東北病院     國分 美加

                                   平心会須賀川病院                              安藤 貴正

                                   公立相馬総合病院                              髙橋 麻子

 2019年4月に働き方改革関連法案が施行され2年が経過しました。労働時間の適切な管理や、時間外労働の制限に伴う業務の整理など、少しずつ変化してきている状況にあります。

 それに加え、医師の働き方改革に向けて各医療関係職種の専門性を活かした業務範囲の見直しがなされ、私たち診療放射線技師も業務範囲の拡大に向けて告示研修を受けることとなりました。業務範囲は拡大する一方で、スタッフの負担を軽減させることも併せて目標としている働き方改革に少し難しさを感じますが、この働き方改革によって医療業界が動き始めていることは事実だと思います。

 2019年に宮城で開催された第9回東北放射線医療技術学術大会では「働き方改革で医療現場はこう変わる!?~診療放射線技師のワークライフバランスについて本気で考える~」と題し、医療現場で問題になりがちな宿当直やオンコール待機について考えてきました。

 今回はそれに引き続き、私たち診療放射線技師のワークライフバランスについて仕事と育児の両立、自己研鑽の面から考えていきます。

 福島県内の施設にアンケートを実施しました。この2年の間に新型コロナウイルス感染症の蔓延が加わったこともあり、内容にはコロナ禍での育児、自己研鑽の項目も設けました。アンケートの結果から問題点を探り、社会保険労務士の佐藤富蔵先生にご意見をいただきます。

 また、規模の異なる施設の3名の技師に現状をお話しいただきます。1名は座長を務める國分美加がお話をします。もう1名は平心会須賀川病院 放射線科技師長の安藤貴正さんです。安藤さんは管理職の立場からお話しいただきます。あと1名が公立相馬総合病院 放射線科の髙橋麻子さんです。髙橋さんは子育て世代の立場からお話しいただきます。

規模の異なる3名の施設でそれぞれ抱えている問題点が、皆さんの施設の問題点と一致するかもしれません。解決の糸口が見つかれば幸いです。

 私たち診療放射線技師のワークライフバランス(仕事と生活の調和)を整え、コロナ禍や災害時にも実現できることが、安心で質の高い医療を提供することに繋がると考えます。  この企画を通して、私たち診療放射線技師の働き方の可能性を考えていければと思います。

佐藤富蔵先生のQ&A事前配布資料のダウンロードはこちらから

● ソリューションカンファランス ワークフローコントロール

10月31日(日)13:00~14:00(第一会場  1F多目的ホール)

                       「コロナ禍の教育」     

                         コーディネーター: 社会医療法人将道会総合南東北病院      太田 運良

                                   医療法人社団共生会 中条中央病院      関川  高志

                               演者: 脳神経疾患研究所附属総合南東北病院     鍵谷  勝

                                   社会医療法人秀公会 あづま脳神経外科病院  羽田  隆博

                                   つがる西北五広域連合 つがる総合病院            船水  憲一

 2019年末に中国湖北省武漢市で発生した原因不明の肺炎の集団感染は、その後新型コロナウィルス感染症(COVID19、ウィルス名:SARS-CoV-2)として世界中で大流行し、多くの感染者と死者を出した。

 この未知の感染症に対する防止対策の為に、我々の生活は大きく制限を受ける事となり、病院運営にあたっては常に感染リスクを考えながら診療を行わなくてはならず、煩雑さを極めた。

 緊急事態宣言に代表される国策下の状況では、どうしても教育がなおざりになってしまい、実務の比重が高くなる、それはそれで当然の事のようにも感じるが、診療放射線技師業務の特殊性を考えると、このような状況下においてもスキルアップ、また得られた知見・知識等の情報収集・発信は継続的に必要である。

 2020年度開催予定だった従来の対面形式による学会、セミナー、勉強会等はほぼ中止、年度中盤頃からWEBを活用したセミナー、勉強会が行われるようになり現在では主流の方法である。

 学ぶ手段は変わるものの学ぶ姿勢や情熱は常に必要なものであり、時代の変化にフレキシブルに対応するとともに診療放射線技師間で共有され、やがて国民へ還元されるものである。

● ソリューションカンファランス システムコントロール

10月31日(日) 9:00~10:00(第二会場 3F講義室1)

                      「医療法改正に伴って」

                         コーディネーター: 一般財団法人 杜の都産業保健会       鎌倉 克行

                                   公益財団法人 星総合病院                続橋 順市

                               演者:   宮城県保健福祉部                    小野寺 保

                                   公益財団法人 星総合病院                  佐久間守雄

 2019年3月11日に厚生労働省から医療法施行規則の一部を改正する省令が交付され,2020年4月1日より施行された.

 この改正により大きく4つの体制確保が必須となり

  • 診療放射線に係る安全管理のための責任者の配置
  • 診療放射線の安全利用のための指針の策定
  • 放射線診療に従事する者に対する診療用放射線の安全利用のための研修の実施
  • 放射線診療を受ける者の当該放射線による被ばく線量の管理及び記録その他の診療用放射線の安全利用を目的とした改善のための方策の実施

 施行より一年以上が経過したが各施設の実施状況や立入検査の状況など,実際どのように行われているのかをこのカンファランスで検討する.

 今回は立入検査する側から見た感想や課題,施設側から見た感想や課題を二人の演者に述べてもらいます.

 一人目は立入検査をする側の立場から宮城県保健福祉部の小野寺氏,二人目は責任者に選任されている公益財団法人星総合病院の佐久間氏

 この二人の演題を通じて,参加者(視聴者)と医療法改正に伴う医療放射線安全管理についての認識を共有していきたいと考えておりますので,多数のご参加をお待ちしております.